タサセール、ニコラ・フランソワ・オクターヴ Tassaert, Nicolas François Octave 1800~1874

 フランスの画家、石版画家。

 ロマン主義と写実主義の過度期に活動し、歴史画、宗教画から風俗画、小説の挿絵にいたるまで幅広く手がける。エコール・デ・ボザールに学び、当初は歴史画に取り組んでいたが、やがて社会の貧困をテーマとする写実主義的な画風へと移っていった。

 そのいっぽうで、おそらく生活の糧を得るためであろう、エロティック画にもいそしんだ。ボードレールはある美術批評で、「タサエールはじつに大きな取り柄を持った画家、その才能が恋愛の主題にこのうえもなく上首尾に適用されるであろう画家」と称賛している。

 タサエールはコレッジオ流の官能的な女性ヌードを何点も制作し、「屋根裏部屋のコレッジオ」とのあだ名を頂戴している。また、ネオ=ロココ風の艶雅な閨房図を数多く手がけ、「貧者たちのプリュードン」とも呼ばれる。さらに、いっそうあからさまなポルノグラフィックな好色石版画にも手を染め、愛戯に耽るカップルたちを陽気なタッチで描きだした。  

 

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