ガヴァルニ Gavarni 本名 Sulpice Hippolyte Guillaume Chevalier 1804~1866

 フランスの画家、素描画家、版画家。

 王政復古の時代から七月王政期にかけて、パリの時代風俗を活写したカリカチュアによって、当時はドーミエよりもはるかに人気を博す。その作品は友人であった文学者のバルザックやゴンクール兄弟から熱い称賛を寄せられ、ドガやトゥールーズ=ロートレックら後世の画家に多大な影響を与えた。

 ガヴァルニのカリカチュアは、きわめて精緻な人間観察と、ダンディで鳴らした人柄からしみ出る品の良さが特色である。時代風俗の鏡であるその作品には、当然ながらエロティックな画題が大きな割合を占めている。ガヴァルニは花の都に渦巻く悦楽の賛美者であり、「グリゼット」や「ロレット」らパリジェンヌを生き生きと描きだした。

 ガヴァルニのエロティック・カリカチュアの代表作としては、十二葉の石版画連作「秘められた生活の情景」を挙げることができる。ガヴァルニの作かどうか真偽は不確なものの、彼が描いたとされるいっそう過激なイメージも伝えられている。 

 

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